鉄道駅の転落事故を防ぐために欠かせないホームドア。東京都営地下鉄では、設置率が来年2月までに100%になります。実現のカギとなったのが、キャッシュレス決済や電子チケット、在庫管理など、日常のさまざまなシーンで目にする「QRコード」。意外にも思える技術を鉄道の現場に持ち込んだのは、現場の職員のアイデアでした。ホームドア整備に携わった都交通局車両電気部の岡本誠司さん(63)に話を聞きました。(聞き手・三宅千智)
―都営地下鉄のホームドア整備はいつ頃から進んだのですか?
もともとホームドアは、都営三田線を2000年にワンマン運転に切り替える際、電車が走る空間に物理的に人が入らないようにするために導入したんです。結果的に転落事故を防ぐという効果もあり、各路線で設置を進めることになりました。
―複数の鉄道事業者が乗り入れる浅草線には課題もあったそうですね
浅草線は、都営地下鉄も含め5つの事業者による相互直通運転を行っています。2ドアや3ドア、6両編成や8両編成の車両が乗り入れることから、ホームドアの開閉する場所を車両に合わせて変える必要があります。ただ、無線装置の設置には1編成あたり数千万円と高額な車両改修費が必要で、費用は各社負担になる。乗り入れする他社に持ちかけても、話に乗ってもらえませんでした。「うちはホームドア付けないから」という会社もいました。車両の改修をしないとなると、乗務員がホームドアを開け閉めし、確認作業も必要になる。人間ですから開け忘れ、閉め忘れも出てくるでしょう。確認に時間をかければ、1駅への停車が長くなり、輸送力が落ちてしまう。じゃあどうする、というところで止まっていました。
―QRコードの...
残り 712/1424 文字
今なら最大2カ月無料
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。